妊(にん)孕(よう)性(せい)温存療法 若年層支援へ助成~子どもを授かる可能性を残す~
こんにちは!連日の大雪で雪かきに追われる日々が続いていますね。
さて今回は先日北海道新聞で紹介されていたがんと温存療法のお話を紹介いたします。
抗がん剤や放射線などがんの治療で生殖機能が低下したり失われたりしてしまうことがあります。これに対し、がん治療前に、患者さんの卵子や精子などを凍結保存して将来子どもを授かる可能性を残すのが「妊孕性温存療法」です。
妊孕性温存療法はがん治療開始前に行うとし、がん治療と安全に両立できるか、時間がどのくらいあるのかなどを調整して、できるだけ早く温存の方法や可能性についてがんの主治医に相談する必要があります。原則はがん治療が最優先で、治療開始までの時間は各患者で異なり、がんの種類や状態などによっては受けられないこともあります。そのうえで、温存療法を希望し助成制度を利用するには、主治医の紹介で指定医療機関の生殖医療の専門医を受診することになります。
若い患者さんにとって治療による生殖機能への影響は深刻な問題です。しかし温存療法は全額自己負担のため、がんそのものの治療も含め経済的な負担が重くのしかかってきます。そこで道は、小児やAYA(アヤ=思春期・若年成人)世代のがん患者さん達を対象に、温存療法の医療費の一部を助成する制度を本年度から開始し、その申請受付を28日から始めます。
対象者は、道が指定した医療機関で妊孕性温存療法を受けた、男女ともに43歳未満の道民。年齢の下限や所得制限はなく、2021年4月以降に受けた人にさかのぼって適用されます。
助成は1人通算2回まで。温存療法で負担する半額程度が助成されるそうです。医療機関により受けられる温存療法の種類は異なります。助成する温存療法の種類と、1回あたりの助成上限額はそれぞれ
受精卵凍結 35万円、卵子凍結 20万円、卵巣組織凍結 40万円
精子凍結 2万5千円、精巣内精子採取・凍結 35万円
北海道新聞より引用
道が指定する医療機関は札医大病院、手稲渓仁会病院、札幌厚生病院、斗南病院、神谷レディースクリニック(いずれも札幌市)の5つ。このほか、北大病院と旭医大病院が指定に向けた手続きを進めているそうです。
助成制度によって経済的な負担はカバーされますが、指定医療機関が札幌にしかないため、距離や時間的に温存療法を受けることが困難な患者さんもいるはず。指定医療機関をもっと広げていくことが大切になってきます。
助成の対象となるのは、日本癌治療学会の診療ガイドラインで生殖機能へのリスクがあると分類されたがん治療を受ける患者さん。がん以外でも、造血幹細胞移植を行う再生不良性貧血などの病気、生殖機能へのリスクがあるアルキル化剤を投与する全身性エリテマトーデスなどの病気も対象となります。
助成金の財源は国と道が半額ずつ負担。妊孕性の温存は、がんと生殖の二つの医療の進歩でニーズが高まり、2016年の滋賀県を皮切りに、2021年2月時点で21府県と道外の5市に上りました。こうした中、国が同年4月から都道府県向けの助成事業を開始し、全国に拡大。道も導入に向けて医療機関との連携体制づくりなどの準備を急いでいました。
申請は温存療法を受けた年度内に、患者か家族が道に書類を提出し、受理後、2週間程度で助成額が決定されます。がん治療の施設と温存療法を受けた指定医療機関の証明書が必要です。
道内で2018年に新たにがんと診断された40歳未満の患者さんは974人。新規がん患者さんの2%に当たります。
治療によって生殖機能が低下・喪失して不妊になる可能性もありますが、およそ半数以上の人がその可能性についての説明がなかったと回答した調査結果などもあり、治療によって及ぼされる身体的影響や温存療法の情報提供を促しています。
医療者は、がんや難病と診断された患者さんに対して、これから受ける治療が妊孕性にどんな影響を及ぼし、どんな温存方法があり、さらにそれに対しての道の助成制度があることをきちんと伝えていく必要があります。
将来子どもを授かる可能性を残すことは、若い患者さんにとって希望になります。具体的な情報を伝えることで相談が増え温存が広がり、結果的に患者さんの利益につながっていきます。
がんと生殖の双方の施設と医療側の連携が大切ですね。
詳しく内容は道のホームページ「小児・AYA世代のがん患者等の妊よう性温存療法」にも書かれています。参照してみてください。
最後に前回のブログにも記載がありますが、ガン治療をしている方、これから始める方、治療が一段落した方にお伝えしたいです。鍼灸治療は免疫力が上がるのでガン治療とは相性がいいようです。化学療法 放射線 手術などの前に少しでも体調を整えてはいかがでしょうか。マッサージもとても気持ちよくリラックスでき、気持ちも少し楽になるとおもいますよ (^▽^)/
令和4年1月