今日はコリについてお話させていただきます。
昔から「カゼは万病のもと」と言いますが、当院では「首や肩の凝りは病気のもと」と考えています。
皆さんがよく経験する頭痛やめまい、原因不明の微熱、手足の冷えなどを訴える自律神経失調症や、その症状である不定愁訴は首肩の筋肉の凝りによって起きるといわれています。最近ではこのような症状を「頚神経筋症候群」といい、当院でもかなりの数を治療させていただいています。
首の周辺では、背中にかけて広がる僧帽筋や、深い部分にある頭板状筋、さらに深い部分の頭半棘筋など、たくさんの筋が複雑に入り組み、その間を神経や血管が走っています。
交通事故などで頭部を強打するなどの外傷や、長時間同じ姿勢でいることによる筋肉の緊張や強いストレスで、筋肉が凝りなどの異常を起こします。ひどくなると神経や血管が圧迫され、さまざまな症状につながっていくと私は考えています。
同じような症状の方をずっと治療させて頂いていると同じところが凝っている方がとても多いです。たとえば、むち打ちなどをきっかけに頭痛やめまいが治まらず、病院を転々とする方に首まわりの筋肉の硬直が共通していることがとてもおおいです。
現在では慢性疲労症候群、ストレス症候群、パニック症候群、更年期障害のほとんどが頚神経筋症候群に該当すると考えられており、特に女性の患者さんはこのいくつかを合併しているケースが多いと思われます。女性の方は男性よりも身体が冷えやすくホルモンバランスにとてもデリケートに反応します。
当院では患者さんの訴える「頭が痛い・重い」「首がまわらない」「肩が凝る」「すぐ横になりたくなる」「のぼせる」「冷え」「目が痛い」「寝ない」などの症状をきき、触診し痛みや硬さの程度を調べ、その方にあった刺激量で治療をすすめていきます。
マッサージや指圧、鍼灸、電気治療などで首肩の筋肉の緊張や痛みを緩和するのが基本です。多くの人は1週間〰1ヶ月程度で症状が改善に向かいます。
また、このように常に痛みや苦しさと付き合っていると自律神経もバランスが崩れて交感神経が優位になってしまいます。(自律神経は交感神経と副交感神経でバランスを保つ)
こうなると神経もたがぶり筋肉の緊張がさらに増してしまい悪循環になります。身体に血行障害も起き冷え、ホルモンのアンバランス、免疫力の低下、代謝低下などがおこります。一回悪循環がおこるとなかなか抜け出せなくなります。早め早めの治療をお勧めいたします。
首肩と自律神経の関係はまだ未解明の部分も多いのが現状ですが、間違いなくかかわりは深と治療をしていて確信しています。
実際に当院でこのような症状の方に首肩の治療を施したところ患者さんの90パーセント
以上の方に改善、もしくは症状緩和につながっています。
また、当院では上記のように交感神経が優位になった方には交感神経をブロックする治療もおこなっていますので高い治療効果をあげています。